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6 セブン-イレブンがチケット業界に本格参入か!? ももクロ主演『幕があがる』独占販売の理由とは

セブンイレブン
2015年2月7日(土)「セブンチケット」の本格オープンで、チケット業界は戦々恐々となる!?

各界で期待が高まる話題の新作『幕があがる』


いよいよ2015年2月28日(土)より、話題の新作映画『幕があがる』が全国一斉公開となる。劇作家・演出家の平田オリザが2012年に発表した処女小説を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が映画化。人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」(通称“ももクロ”)が主演に抜擢されるなど、芸能界・映画界・演劇界・出版界を巻き込んで期待が高まっている。

ストーリーは、地区予選で敗退続きの弱小高校演劇部が、元“学生演劇の女王”だった新任の先生の一言で全国大会を目指すというもの。その過程で、本当の喜び、本当の悲しみ、本当に大切なことに気づいた女子高校生たちが輝いていく様を描いた青春群像劇だ。撮影前には平田自らが指導するワークショップを受けたというももクロメンバーの演技力にも注目だ。

さらに、同作は映画公開に引き続いて、舞台版も公演される(5月1日~24日@東京・Zeppブルーシアター六本木)。原作者の平田が自ら脚本を書き下ろし、演出は本広監督、主演はもちろんももクロのメンバーだ。映画と違い、ナマのももクロに会ってライブな感動を体験できるまたとない機会とあって、ファンの間では早くもチケット争奪戦に備える動きが強まっている。ももクロの人気を考えれば、超プラチナチケットとなることは必至だからだ。


セブンが舞台版チケットを独占販売


この『幕があがる』のチケットを、セブン-イレブンが独占的に販売することがファンのみならず、チケット業界でも話題となっている。映画版の前売券はセブン-イレブンのみの独占販売で、映画館等での販売はない(当日券はあり)。また、舞台版についても、セブン-イレブンのチケット販売サイト「セブンチケット」の独占販売で、2月7日(土)にサイトそのものをグランドオープン予定となっている。

ちなみに、この舞台公演の製作はパルコが手がけているが、通常のパルコ製作の公演であればPARCOカード会員やPLAYチケット会員などに先行販売するところを、この公演に限っては受け付けていない。しかも、4月4日 (土) 10:00~の一般販売もセブンチケットの独占販売となっている。そして、この入手困難な舞台版チケットについては、セブン-イレブンで映画前売券を買った人の中から抽選で6,000名に先行購入権が当たるというキャンペーンも実施している。つまり、映画版であれ舞台版であれ、『幕があがる』を観たいのならチケットはすべてセブン-イレブンで買うように仕向けられているのである。


セブンチケットがチケット業界の脅威に!?


ではなぜ、セブン-イレブンは独占販売に踏み切ったのだろうか? いや、むしろなぜセブン-イレブンにそうした独占販売が可能となったのだろうか?

ご存知のように、こうしたエンタメやイベントのチケットはコンビニでも扱っている。店舗に設置してあるマルチコピー機やマルチメディア情報端末で、予約したチケットの発券ができるのだ。セブン-イレブンとサークルKサンクスではマルチコピー機で、ファミリーマートではマルチメディア情報端末「Famiポート(ファミポート)」で、ローソンとミニストップではマルチメディア情報端末「Loppi(ロッピー)」での発券となる。ただし、これらのチケットはコンビニ各社が直接扱っているのではなく、チケットぴあ、イープラスなどのチケット業者と提携して提供している場合が多い。なお、ローソンでは同系列のローソンチケット(ローチケ)で独自に興行チケットを手配している。セブン-イレブンも同系列のセブンチケットでもチケットを扱ってきているが、他のコンビニチェーンやチケット業者ほど大々的には事業展開はしていなかった。それというのもチケット業はリスクが強く、経営が難しい面があるからだ。

チケット業者は、公演・イベントの主催者やプロモーターに営業して取り扱うチケットを手配し、その売上からマージン(販売手数料)を取る。たいていの公演・イベントでは、主催者が直接取り扱うチケットのほかは、チケットぴあ、イープラス、ローチケ、あるいは楽天チケット等のチケット業者に分配される(これを配券という)。チケット業者にとっては、人気公演の配券をどれだけ確保できるのかによって収益が違ってくる。当然ももクロのような人気アイドルの公演チケットを独占販売できるとなれば、チケット販売の仲介をするだけとはいえ莫大な収益となる。

試しに、今回の舞台『幕があがる』の独占販売で、セブンチケットにどれくらいの収益がもたらされるのかを計算してみよう。舞台『幕があがる』のチケット料金は全席指定6,500円。公演会場となるZeppブルーシアター六本木のキャパ(収容人員)は公式で901名、全27公演あるから、単純計算で観客動員予定数は24,327名となる。一方、一般的にチケットを発券した際にチケット業者が取る販売手数料は約10%と言われているので、収益額は以下のようになる。


●舞台『幕が上がる』チケット販売収益
【総売り上げ】
 チケット代6,500円×観客動員数24,327名×販売手数料10%=15,812,550円
【先行購入】
 チケット代6,500円×先行購入権 6,000名×販売手数料10%= 3,900,000円

総売り上げが約1580万、先行購入だけでも390万である。ちなみに先行購入権を得た6,000名は全体の1/4、およそ25%となっている。かなりの収益と言えるだろう。

ただし、だからといってチケット業者が儲かる商売と言い切れないのが難しいところなのだ。ももクロのような即完売する人気アーティストなら問題はない。しかしこれが、あまり人気もなく知名度も低いアーテストや公演であった場合には、チケットは売れないし、収益も上がらない。それどころか、人件費やシステム管理のコストばかりかかってペイしないのである。公演データの入力や予約システムのメンテナンスやセキュリティ、宣伝広告、電話予約対応のコールセンター、原券(購入チケット)の発送業務など、様々な経費がかかる。チケットが売れず収益がなければ、コストばかりかかってしまう状態となるのだ。

かつては登録無料だったチケット業者のサービスが、インディーズのバンドや小劇団などの自主制作系のアーティストのチケットを扱ってもほとんど売上が見込めないことから登録料を取るようになったのが1990年代のこと。以来、いかにコストをかけずに省力化・効率化できるかが、チケット業者のセオリーとなっている。そして、一番効率良く収益を上げられるのが、今回のももクロのように即完売する人気公演のチケットを扱い、しかも独占で販売することなのだ。その一番うまみのある公演にセブン-イレブンがリーチし、“いいとこ取り”するようなキャンペーンを展開してきたということは、他のチケット業者にとっては脅威のはずである。

最近も、セブン-イレブンは大ヒットしたセルフ式入れたてコーヒーと相性の良いドーナツを開発し、販売を始めた。これがミスタードーナツなどの他業種と競合するものとして話題となった。ももクロチケット独占販売で、今度はチケット業界へ本格参入してきたと見るべきか!? とりあえず、2月7日(土)にグランドオープンするという「セブンチケット」のサイトに注目しておきたい。
(コンビニウォッチ!編集部)
セブンチケット
※2/7(土)サイトグランドオープン(予定)

●映画『幕が上がる』セブン-イレブン限定キャンペーン
 PC版
 携帯版
小説『幕が上がる』
著者:平田オリザ
定価:本体1,300円(税別)
版元:講談社

映画『幕が上がる』
2015年2月28日(土)より全国一斉公開!
監督:本広克行
原作:平田オリザ
脚本:喜安浩平
音楽:菅野祐悟
出演:百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)、他
製作年:2015年
製作国:日本
上映時間:119分
配給:ティ・ジョイ
配給協力:東映 c2015 平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ 

舞台『幕が上がる』
公演期間:2015年5月1日 (金) ~2015年5月24日 (日) 全27公演
会場:Zeppブルーシアター六本木
料金:6,500円(全席指定・税込) 
一般発売:2015年4月4日(土)10:00~
原作・脚本:平田オリザ
演出:本広克行
出演:百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)、他
主催:Zeppブルーシアター六本木運営委員会
協力:映画「幕が上がる」製作委員会
[ 2015年01月23日掲載 ]
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