未曾有の出店ラッシュでしのぎを削るコンビニ業界に、新たなダークホースが堂々参戦!? あのドンキが“ビッグコンビニ”として仕掛ける「驚安堂」は、はたしてコンビニ各チェーンの脅威となりうるだろうか?
ドンキの新業態“ビッグコンビニ”とは?
2014年8月8日(金)JR大宮駅東口近くに見慣れない名前のコンビニが開店する。その名も「驚安堂(きょうやすどう 大宮南銀店」。実はあのディスカウントストア、ドン・キホーテ(通称“ドンキ”)が仕掛けたコンビニ型の実験店である。そもそもこの場所には普通の“ドンキ”が営業していたのだが、同じ大宮駅東口に新たに出来た商業施設「大宮ラクーン」にも“ドンキ”が6月に出店したため、業態を替えて全館改装しリニューアルオープンを計ったのだ。
では、新業態とはどのようなものなのか? 従来の“ドンキ”の店舗は、まるでアミューズメントパークのように狭い空間に大量に商品を並べる「圧縮陳列」が特徴だった。バラエティに富んだ商品が並ぶ店内は、眺めているだけで“ワクワク・ドキドキ”感が湧いてきて、暇つぶしにもなり、来店者の滞在時間も長くなる。そして、思わず買いたくなる商品に出会ったりして、ついつい買い物をしてしまうというものだった。
しかし、新店舗は既存のコンビニエンスストアのようなシンプルな店舗設計だ。陳列棚を低くし、通路も広めにとって、普段使いの買い回りの良さを考慮している。また、商品価格帯は従来のディスカウント店と同じ水準だが、食品・日用消耗品などは「驚安価格」で提供し、割安感を訴えるという戦法だ。さらに、雑貨、化粧品、メンズ衣料、スマホグッズなどの商品も豊富に取りそろえるという。「便利で、安くて、楽しい」をコンセプトにした“ビッグコンビニ”としてリニューアルすることで、小商圏でワンストップショッピングを実現する実験店と位置付けている。
差別化が迫られるコンビニ戦国時代
実はこの「驚安堂」のオープンは、これが初めてではない。すでに第一号店「驚安堂 桜上水店」を東京都杉並区下高井戸に開店している。桜上水店では住宅街での需要などをリサーチする一方、今回の大宮南銀店では駅近くの店舗での消費者ニーズを探る狙いがあるという。そして、今後は同様の業態の店舗を増やし、年内にも複数出店する予定という。
コンビニ大手各チェーンの出店ラッシュは、もはや飽和状態とも言われている。そのため、同じチェーン内でも業態や店舗の差別化が必要となってきている。そこへ“ドンキ”が「驚安価格」を掲げた“ビッグコンビニ”という強力な業態を打ち出し参入する。コンビニ戦国時代はまだまだこれからなのかもしれない。(コンビニウォッチ!編集部)
【驚安堂(きょうやすどう) 大宮南銀店】
営業時間:24 時間
所在地:埼玉県さいたま市大宮区仲町1 丁目1
交通:JR「大宮」駅東口より徒歩約1分
※駐車場なし
開店日:2014年8月8日(金)10時
敷地面積:492.7 ㎡
延床面積:2,220.4 ㎡
店舗面積:647.0 ㎡
建物構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上7階・地下1階(営業施設は地上1階・地下1階)
商品構成:食品、酒、日用雑貨品、化粧品、衣料品、バラエティ雑貨他
【驚安堂 桜上水店】
営業時間:24 時間
所在地:東京都杉並区下高井戸2-10
ドン・キホーテ
[ 2014年8月7日掲載 ]
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